美しい自然を愛でる時間
春はお花見、夏は川遊び…
それぞれの季節が持つ魅力にふれた僕が思ったことは…?
「今日は日本の四季についてです」
ワカハラ先生がスクリーンに画面を映し出しながら話し始める。1年生になって2カ月。
やっと学校に通うことにも慣れてきたし、楽しい映像をたくさん見せてもらえるこの授業はとても好きだ。
「まず君たちの入学式の日から、ちょうど今くらいが春ですね。春には桜が満開になって、その下に集まって“お花見”をします」
「わー、ピンクでいっぱい!すごくキレイ!」と、ミコちゃんが声を上げる。
「そして暑い夏、田舎のおばあちゃんの家に行くと、きれいな川で泳いだり、魚を採ったりを楽しみます」
「こんなにいっぱいの水、見たことないよ」と、目を丸くするのはケイ君だ。僕もおばあちゃんの家には遊びに行くけど、やっぱりこんな水は、見たことない。
「秋は落ち葉を集めて“焚き火”。この火で美味しい焼き芋を作って、みんなで仲良く頬張ったりします。そして、冬になって雪が降ったら雪だるまを……」
「どうだった?みんな。これが、四季というものがあった太古の日本の風景とくらしです。では歴史の授業はこれで終わりましょう。あ、今朝は窓の風景ディスプレイの設定を忘れてたね。今日はどんな景色がいいかな?」
さっき見た川の映像がとても気に入った僕は、いちばんに声を上げた。「夏の川!」
「お、コウ君は夏という言葉をちゃんと覚えたんだね。では……」
先生がスイッチを押す。すると、年中ぼんやり鈍い日差しを受けて、教室の窓の外にどこまでも広がっている赤茶色の砂丘が見えなくなる。
代わって現れるのは、青い草原と、見たことのない透明な水が流れる川。まるで本当に窓の向こうに広がっているかのような立体映像だ。
「気候変動を止められなかった結果、人間が誰も住めなくなる前の地球には、こういう風景が本当にあったんですよ。
地球から遥か遠いこの星で生まれて育ったみんなには、信じられないかもしれないよね」
あんなに素敵な景色の中で本当にくらせる未来を、いつか自分の手で、この星の上に作り出せたらいいのにな。
先生の話を聞きながらそんなことを思った僕は、なんだかちょっとワクワクしてきた。
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