おいしい空気を吸う時間
やさしいシカの願いごと。動物と人間が仲良くできたら、地球はもっと素敵な星になるのに…。
車の排気ガスによる環境汚染で、緑が失われていく森。動物たちは定期的に会議を開き、移住、あるいは人間への対抗策を練っている。そして今日は、月に1度の動物会議の日――
シカは考えていた。
この前、カフェのマスターに聞いた話。
人間が環境のために頑張っているという、うれしいニュースをみんなにどうやって伝えよう?
人間が出入りするカフェに行ったなんて言ったら怒られちゃうかもしれないけど、
勇気を出して伝えなくちゃ。みんな、喜んでくれるかな?喜んでくれるといいな。
会議が開かれる森の広場まであと少し。シカは緊張でドキドキしながら駆けていった。
クマ議長「最近、人間たちの気配があまりしないような?」
サル「そう? キャンプ場には相変わらず人がいっぱいだよ?」
トンビ「キャンプで自然を楽しむなんて人間は言っているけど、こっちは全然楽しくないよ。自然を汚して」
イノシシ「人間ってやつは、とことん迷惑な生き物だ」
サル「ほら、山のふもとを見て。クルマもたくさん走ってる」
クマ議長が双眼鏡をのぞくと、クルマの中には、楽しそうな家族連れの姿が。
クマ議長「みんな笑顔だ。人間はこんなにも自然が好きなのに、環境を汚して平気でいられるわけはないと思うんだが」
シカの脳裏に、先日カフェで会ったマスターとの会話がフラッシュバックした。
シカ「クルマで思いっきり走る気持ちよさはわかるんだけど、ボクらが住む環境も、気にしてくれないかな」
マスター「最近人間も頑張ってるみたいですよ。走るワクワクと、環境へのやさしさが、共存できるように」
シカ「…ちょっと見直したよ」
クルマを見つめながら何か言いたげなシカに、タヌキが声をかけた。
タヌキ「シカくん、口をもぐもぐさせて、どうしたの?」
シカ「あのね、人間はようやく環境の大切さに気付いたみたいだよ」
シカは震える声で答えた。
タヌキ「環境の大切さ?」
シカ「実は、カフェのマスターから聞いたんだ。人間は最近、クルマで走るワクワクと、環境へのやさしさが共存できるように頑張っている、って」
ウサギ「そう言われてみると、たしかにクルマの音が聞こえないね。道路はここから遠くないのに」
クマ議長「うむ。しかも、あの変なにおいもしませんな」
キジ「環境をなるべく汚さずに走る技術を開発したってわけか」
シカ「そう、その技術のカギとなるのが電池なんだって。車から生活の身近なものまで幅広く使われていて、くらしも社会も豊かにしてくれるみたい。みんなの地球を守るために、頑張ってくれているんだね」
動物たち 「(顔を見合わせながらうれしそうに)みんなの地球のため!」
森の動物たちも感心する、
エコフレンドリーにつながるバッテリー技術について
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