見えないところを見つめる時間
僕には一風変わった友だちがいる。
彼の名は、分解じいさん。
「分解すれば、世界がよ~く見えてくる」
それが、分解じいさんの口癖だ。
冷蔵庫、炊飯器、テレビ、エアコン…。
彼は身の回りのものを何でも分解するから、近所の人たちから「分解じいさん」と呼ばれていた。
ある日、分解じいさんはガレージで車を分解していた。
「こんなに大きなものまで?なんでそんなことしているの?」
僕が驚くと、分解じいさんはうれしそうに笑った。
「これほど便利なものを、なぜ人間が作れるようになったのか?
分解すれば、その理由が見えてくるんじゃよ」
「今日はお父さんが家で仕事をしてるから、一緒に夕飯が食べられるんだ!」
僕が言うと、分解じいさんはにっこり笑った。
「おお、それは楽しみじゃな」
「お父さんが在宅勤務できるのは、なんでだかわかるかい?」
「会社のえらいひとのおかげ?」
「ふふふ。それもあるが…。
デバイスと呼ばれる部品のおかげなんじゃよ」
「部品?」
「ほら、これを見てごらん」
分解じいさんが持ってきた大きな箱の中には、分解されたパソコンの部品がきれいに並べられていた。
「これはセンサ。これは抵抗器。これはコンデンサ。電気の力で動くパソコンは、電子部品の集合体だ」
「そして、君のお父さんが使っているスマホも、インターネットにつなぐ機器も、街にあるインターネットの基地局も、その中では、いろんな部品が一生懸命働いているんじゃよ」
「パソコンもスマホもインターネットも、お父さんだけじゃなく、世界中の人が使っているんだよね」
僕がそう言うと、分解じいさんは声を一段と大きくした。
「そうじゃ。デバイスは世界中で働いているんじゃ」
「わしは昔、デバイスを作る仕事をしていた。それは、世界中の人のためになる仕事じゃ」
「今は後輩たちが、いいデバイスを作ろうと、すごく頑張っているよ」
分解じいさんは微笑んだ。
多様なデバイスを通じて、世界中に幸せを届け続ける。
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