地域を笑顔にする時間
施設に送迎して、自立支援のお手伝いをするデイサービス。
その送迎計画の作成に僕が四苦八苦していると…。
僕が勤めるデイサービスに、新しいボスがやってきた。そのボスの正体はAI。
AIなんて聞くと、機械に操られるようなイメージがあるけど、そんなことはなかった。
AIのボスは、ベテラン職員にはもちろん、経験が浅い僕のような若手にもやさしく力を貸してくれる。
施設長から引き継いだ送迎計画の作成業務は、利用者さんの住所や生活環境・健康状態を考慮しなければならないため、とても大変だ。時間をかけて計画を作成しても、前日の夕方にキャンセルや別曜日への振替依頼があり、対応に追われる。
特定のスキルがないとできない送迎計画の作成は、膨大な時間がかかる。そのため、施設での利用者さんの運動訓練や健康管理、また他の利用者さんとの会話や食事の確認など、向き合う時間が限られてしまう。
送迎計画の作成を職員の皆で分担して、利用者さんとの接点を増やしたいのに、なかなかできない。残業も増えてしまって・・・
「送迎計画を自動で作成するシステムを導入しようと思うの」頭を抱えながら送迎計画を練っていると、施設長が話しかけてきた。
「山田さんと寺田さんは、佐藤さんと仲が良いから同じ車にするとか、村田さんは車酔いするから、乗車時間を短くするために最後にお乗せするとか、いろいろあるでしょう。そんな制約も、AIの力を借りれば~」
そうか、人間の力だけではどうにもならないなら、一人で悩まないでAIの力を借りればいいのか。
「この機会に、送迎計画の作成を自動化しましょう」施設長から、ぽんと肩をたたかれて僕は我に返った。送迎計画の自動作成システム。その名は『DRIVEBOSS』。
人間に代わって、利用者さんのことを理解して、いい感じの送迎計画をさくっと作ってくれるそれを、僕は親しみを込めて「AIのボス」と命名した。
「利用者さんとの対話や向き合う時間が増えて、よかったわね」
上司の感想に僕も同感。
送迎計画の作成や修正にかかりきりだった時間が、利用者さんとのコミュニケーションの時間に変わった。
時間にも心にも余裕が生まれて、利用者さんも職員も笑顔でいられる時間が増えた。
対話の中で、利用者さんから「ありがとう」と言われる瞬間が、たまらなくうれしい。
※登場する人物・団体は架空であり、実在のものとは関係ありません。
どんなに複雑な業務もさくっとこなして、
私たちの仕事の負担を減らしてくれるAIのボス。
きっと皆さんの、幸せのチカラになってくれますよ